いよいよカンファレンス・セミファイナルの朝を迎えました。今シーズン最後の沖縄開催ゲームは、奇しくも開幕戦と同じ顔合わせとなりました。
対戦相手の京都は昨シーズン4位の強豪です。さらに今シーズンは大幅な戦力補強に成功し、ガードの#91片岡大晴、シューター#1岡田優、フォワード#21寒竹隼人、リーグ屈指のクラッチシューター=#12デイビッド・パルマーらが新戦力として加わっています。どのポジションを見ても穴がなく、特にバックコート陣の層の厚さはリーグ随一です。
レギュラーシーズンの対戦成績はキングスの4戦全勝ですが、前回対戦時から4ヶ月以上経っているので、これまでの成績はあまりアテになりません。特に京都はシーズン中盤からスタメンを入れ替えて選手起用にアクセントを加えているので、対戦相手としてはマッチアップを組むのが難しくなりました。
【予想スターティング5とマッチアップ】
#37並里成(172cm) – #12デイビッド・パルマー(201cm)
#32山内盛久(173cm) – #8村上直(178cm)
#9小菅直人(187cm) – #91片岡大晴(184cm)
#5アンソニー・マクヘンリー(202cm) – #21寒竹隼人(194cm)
#33ジャーフロー・ラーカイ(203cm) – #41マーカス・クザン(211cm)
レギュラーシーズンと同様、パルマーには並里がマッチアップすると予想します。タレント揃いの京都に自由にボールを回されると分が悪いため、意図的に高さのミスマッチを作り、一旦そこにボールを入れるよう仕向けることでディフェンスの絞り込みができます。
今シーズンのキングスのトレードマークといえばリーグ最少失点を誇るプレッシャーディフェンスですが、京都に対してはオールコートやダブルチームをあまり仕掛けていません。それよりも2線のディフェンスがディナイを頑張り、山なりのスキップパスを出させて3線の選手がスティールを狙っています。また、京都はバックコート陣の横パスが多いので、そこをカットして速攻につなげたいところです。
対する京都のディフェンスは、どこでゾーンを使ってくるかに注目しています。これまでの直接対決ではマンツーマンとゾーンのチェンジングディフェンスで揺さぶりをかけてきました。また、キングスはレギュラーシーズン最終節の大阪戦でゾーンを攻めあぐねる時間帯がありました。今シーズンのキングスはゾーンを苦手にはしていませんが、直近の試合で攻めあぐねているところを京都のスタッフは映像で見ているでしょうから、それをどう捉え、どう採り入れてくるでしょうか。
キングスの今シーズンの負け試合は、以下の3つの条件を満たしているケースが多いです。
(1)ハリーバックで速攻を封じられる。
(2)インサイドを固められる。
(3)アウトサイドシュートが決まらない。
もちろん京都はハリーバックを徹底してくるでしょうし、それに加えてマーカス・クザンと#42ジーノ・ポマーレ(203cm)の高さを活かしたゾーンディフェンスが機能するようだと厄介です。相手のゾーンに対して、ポストからうまくパスを散らすことができる#50ジェフ・ニュートンが怪我からどれだけ回復し、いかに本調子に近い状態でプレーできるかがこの試合の重要な要素になります。
沖縄のバスケファンにとって、京都の外国籍選手といえば元キングスのパルマーですが、勝負どころでは#2ジャーメイン・ボイェットがボールを持つケースが多いです。
突破力のあるボイェットがトップの位置でボールを持ってホーン・オフェンス、というのは京都の重要なオフェンス・オプションです。両ウィングに優秀なシューターがいるだけに、相手はうかつにヘルプに行けません。それを見越した上でのオフェンス。おそらくボイェットにマッチアップするであろうマクヘンリーや並里、#13菅原洋介のディフェンスが勝利への鍵を握ります。
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