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【観戦記】琉球キングスxトヨタ自動車アルバルク東京(9/3)

岸本隆一
アンダーアーマーの新ユニフォームを着用した#14岸本隆一
キングス 78(15-17.13-20.27-22.23-21)80 トヨタ
【スターティング5とマッチアップ】
#3並里成(172cm) – #7正中岳城(180cm)
#14岸本隆一(176cm) – #35伊藤大司(184cm)
#9小菅直人(187cm) – #16松井啓十郎(188cm)
#5アンソニー・マクヘンリー(202cm) – #3ジェフ・ギブス(188cm)
#54キブエ・トリム(209cm) – #31フィリップ・リッチー(203cm)
【観戦記】
キングス(bjリーグ)とトヨタ(NBL)の試合は、bjリーグのルールで行われました。第1Qの立ち上がりからトヨタは外国籍選手を2名起用していましたが(NBLルールでは1名まで)、オンザコート3は一度も試しませんでした。
キングスは#6金城茂之と#40新城真司がDNP(#6金城は右膝半月板損傷のため)。トヨタは田中大貴と張本天傑が日本代表遠征のため不在です。それ以外の選手は、新加入選手を含め全員出場しました。しかし、第4Qにキングスの#4アンソニー・ケントが右足のスネのあたりを痛め、以降は出場しませんでした。
試合の立ち上がり、両チームのディフェンスはマンツーマンです。トヨタのオンボールスクリーンに対してキングスがスライドで対応すると、すかさずシュートを打ち、それが高確率で決まるため、序盤はトヨタのシュート練習状態でした。第1Q 3:20に点差が8-17とダブルスコアに広がったところでキングスタイムアウト。スクリーン時のボールマンディフェンスに修正を加えると、このクォーターの残り時間の失点をゼロに抑えます。
第2Q 7:23にトヨタの#15エグゼビア・ギブソンが早くもファウル3つ目。否応なく#3ギブスと#31リッチーの負荷が高くなります。
キングス、トヨタともに昨シーズンからの契約継続選手が多く、コーチも替わっていないため、開幕前のこの時期にしては戦術の浸透度が高い印象を受けました。お互いにパスがよく回り、きれいにフリーを作る場面がありましたが、シュート成功率の差でトヨタがじわじわとリードを広げ、28-37とキングス9点のビハインドで前半を終了します。
第3Qのスターターは、キングスが#3並里、#14岸本、#9小菅、#5マクヘンリー、#2ドゥレイロン・バーンズ。対するトヨタは#11宇都直輝、#16松井、#13菊地祥平、#15ギブソン、#31リッチーです。
スモールラインナップを組んだキングスが平面のミスマッチを突くと、トヨタはすかさず#15ギブソンと#31リッチーを下げ、#3ギブス+日本人4人のスモールラインナップで応戦。後半に入り、ベンチワークも慌ただしくなります。
トヨタがリードを広げ、キングスが追いかける展開が終盤まで続きましたが、第4Q 5:13、#14岸本の3ポイントシュートで67-65と遂に逆転に成功します。しかしすぐさま#3ギブスがゴール下のシュートをねじ込み、残り時間4:58、67-67と同点でオフィシャルタイムアウトへ突入します。
タイムアウト明け、トヨタは2-3ゾーンを敷きますが、小気味よくアウトサイドシュートを放つキングスのシューター陣を止められず、再びマンツーマンディフェンスへスイッチ。
その後も一進一退の攻防が続き、残り54.1秒に#3並里のレイアップで75-74と逆転。しかし#16松井がジャンパーを決め返して75-76とトヨタが再逆転。
プレシーズンゲームとは思えない緊張感に包まれて試合が進む中、残り26.6秒、#3並里が5つ目のファウルを犯し、痛恨のファウルアウト。トヨタはチームファウルで得たフリースローを2投とも沈め、75-78とリードを3点に広げます。
ここで、このブログをご覧の方に考えて頂きたいのですが…
もしご自身がキングスのコーチもしくは選手だったとして、同じシチュエーションに遭遇した時、どのような選択をしますか? 残り時間26.6秒(ショットクロック24秒)、3点ビハインドという場面です。
どれが正解/どれが不正解というのはないと思うので自分が考えたことを書きますが、もし僕だったら時間を使ってオフェンスを組み立てると思います。3点差なので1回の攻撃で逆転はできませんし、残り時間を考えると2回の攻撃機会を得るのは困難です。なので、できるだけ時間を長く使って3点を奪い、その後のトヨタの攻撃時間を短くし、延長戦に持ち込む狙いです。
シュートの1stオプションは、この日3ポイントシュートが好調(3/5の60%)の#9小菅か、勝負強い#2バーンズ。ここがフリーにできなければ、PGの#14岸本が自分でスリーです。ショットクロックを使い切って3ポイントシュートが決まれば最高ですが、シュートが外れてオフェンスリバウンドからセカンドチャンスの場合を考えると、もう少し早く打ちたいところです。
と、ここまでは僕が試合を観ながら考えていたことで、ここから先は実際に起こったことを書きます。
残り時間26.6秒、3点ビハインドの場面で、ボールは#2バーンズに委ねられます。トップの位置からペネトレイトを試み、ディフェンスを収縮させてキックアウト、#14岸本の3ポイントシュートが劇的に決まって78-78と同点に追いつきました。
しかし、残り時間は16.2秒。トヨタタイムアウト。
タイムアウト明け、トヨタはきっちりと時間を使い切って右45度から#35伊藤がジャンパー。リングに嫌われたところを#3ギブスがタップシュートを決め、78-80。残り時間0.9秒。
終盤のクロックマネジメントが、明暗を分けた試合でした。
ジェフ・ギブス
力強いプレーでゴール下をこじ開ける#3ジェフ・ギブス

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この記事を書いた人

「バスケットボールマガジン 琉球バスケ王国」や「バスケットボール沖縄」、バスケットボール専門誌「OUTNUMBER」などに記事を寄稿しています。

コメント

コメント一覧 (4件)

  •  水曜日盛り上がりましたね♪
     
     自分がもし監督なら…
     さばにさんと同じく 時間をかけて同点狙いで行きます
     トヨタは以前にも、何度か見かけたのですが
     残り時間からの得点のとりかたが非常にウマくて
     攻撃の時間を与えたくないです
     キングスの選手も十分攻撃力があるので3Pや切れ込んで
     攻めたり出来たかなと トヨタの幅や高さある守りもあったと
     はいえ時間をかけて攻めたほうが良かったかなと思います

  • 長文を読んで頂き、ありがとうございます。
    今回のトヨタとの対戦は、レギュラーシーズンへ向けてもの凄く良い経験になっていると思います。
    金曜日の試合も楽しみです!

  • はじめまして
    いつも、楽しく拝見してます。
    今回の残り時間のオフェンス
    私も、考えみました
    3点差ですので
    残り時間を使い、スリーポイントで
    同点。理想なのかなと思います。
    でも、トヨタからしたら、
    一番やられたくない攻撃なので
    残り数秒では、スリーを打つ前に
    ファールするか(両方ともチームファール5つのためフリースロー なら最高2点)
    スリーポイントだけは、打たせない
    ディフェンスをしたと思います。
    ですから、今回のキングスは早めのアクションで
    スリーを狙い
    打てないなら、インサイド2点
    その後、すぐにファールゲームという
    作戦だったのかなと思いました。
    すいません。
    自分なりの見方です。
    いつも、キングスの事を
    細かくしれるので
    ブログ楽しみにしてます。

  • 惜しかったですね・・・
    でぇじわくわくしましたー!!
    ドキドキーもしましたね!
    キングスしに好きになりました?
    早くみたぃぃ=!

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