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キングスの幸せの必然性

4月13日の琉球新報・文化面「落ち穂」にキングスに関するコラムが掲載されています。内容は筆者である渡瀬夏彦さんのブログでも読むことが出来ますが、渡瀬さんのキングスへの想いをあの文字数制限内に収めるのはあまりにも無理がある(笑)と感じましたので、また改めてじっくりと拝読させて頂きたいものです。
このコラムは「(キングスの)幸せは、偶然もたらされたものではない」という内容で締めくくられていますが、これはキングス・スタッフの陰なる努力を見続けてきた渡瀬さんらしい“深い”一文だと思います。
これはあまり知られていないと思うのですが、キングス・ホームゲームの4Q終盤はキングスダンサーズが登場しません。エンターテインメント性を重視するbjリーグの試合で、最も盛り上がる場面にダンサーズが登場しないのです。
なぜか。
理由は、「バスケットボールの試合で最も面白いのは残り数分の攻防。この時間帯はそれだけで極上のエンターテインメントであり、バスケットボールの醍醐味を堪能してもらうため、ダンサーズやキャラクターを用いた演出はあえて控えている」ということなのだそうです。
演出というと音楽をかけたり何かを登場させることに目が行きがちですが、「演出を控えることで、演出効果を高める」という発想は僕にはありませんでした。だからこの話を聞いた時は目からウロコでしたし、お客さんを大事にしているからこそ、こうしたアイデアが出てくるのだと思います。
観客動員数についてはどうでしょう。記録的な勝率を誇った昨シーズンに比べると今シーズンは勝ちきれない試合が続いていますが、それにも関わらず、一試合平均2,500人近い観客を動員し続けている要因はどこにあるのでしょうか?
思えば、今シーズンは不運が重なりました。開幕前に日韓戦が開催されたのは好ましいことですが、その影響で開幕戦にお客さんが集まりませんでした。比較的キャパシティの小さいコンベンションセンターや具志川総合体育館での開催が増えたうえ、ドル箱カードの大阪戦はシーズン前半で終了。澤岻直人のいる京都戦もホームでは2試合しかありませんでしたし、後半戦の山場といえば浜松戦とホーム最終戦くらい。インフルエンザ拡散防止のため、選手との交流が制限されたことも興行的には痛手だったことでしょう。
この状況下で一試合平均2,500人ですから、凄いと思います。琉神マブヤーを会場へ呼んだり、琉球海炎祭とコラボレーションをしたりして、あの手この手でお客さんを集めていました。もちろん琉球のファンが応援熱心だということもありますが、この集客力はスタッフの営業努力抜きには語れません。
琉球新報の渡瀬さんのコラムに書かれている「幸せは、偶然もたらされたものではない」という一文を読んで、ここ数日はこんなことを考えていました。キングスが成功を収めているのは決して偶然ではなく、スタッフのアイデアや行動、苦悩や失敗から得た教訓によって支えられていると感じています。

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この記事を書いた人

「バスケットボールマガジン 琉球バスケ王国」や「バスケットボール沖縄」、バスケットボール専門誌「OUTNUMBER」などに記事を寄稿しています。

コメント

コメント一覧 (3件)

  • スタッフの頑張りを、今回改めて知って良かったです
    今まで、思ってはいたけど、照れくささから、スタッフや、ダンサーに挨拶出来なかったけど、次回からは声かけして行こうと思います。

  • さばにさん、はじめまして。
    ブログいつもおじゃまさせて頂いております。
    今シーズンからキングスにはまってしまった
    キングスビギナーです。
    私の好きな理由(みなさん一緒だと思いますが)
    選手、コーチ、トレーナーのみなさんが
    「ひとつ」だなと感じる、
    ベンチの雰囲気がとても好きです。
    そして、正式にはスタッフという括りではない
    「ダンサーズ」のみなさんの活躍も大きいですよね。
    ゲーム、演出、会場の雰囲気・・・
    あげれば多く、魅力のあるキングスというチームですね。
    スタッフの皆さんの努力あってのものだと感じます。
    選手の満足、コーチ陣の満足、ダンサーズの満足、
    ボランティアの満足、スタッフの満足・・・
    それがブースターの『満足』に繋がる。
    直接見えないところでの球団のみなさんの気配りが
    大事だな~と思ってましたが、
    今日のブログで改めて感じました。
    いきなりの長文で申し訳ありません。
    これからも、楽しみにしております。
    応援もガンバリマス!

  • 裏方を支えるスタッフの頑張りってあまり表に出てきませんし、公式HPに載ることも無いでしょうから、また機会を見つけてここに書こうと思います。
    >はなさん
    はじめまして。これからもよろしくお願いします。

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