大会最終日は男女とも熱いアツい戦いが展開されました。その中で最も印象に残った試合は男子決勝戦です。試合終了間際の攻防を以下に回想しますので、これをご覧の方には「ご自身が前原高校の監督だったらどういう判断を下すか」を考えながら読んで頂けたら幸いです。
男子決勝の顔合わせは小禄vs前原。第4Q残り15秒でスコアは66-62、小禄が4点リードしています。ここで前原はフォワードの鈴木(裕)くんがゴール下のシュートをねじ込み、相手のファウルを誘ってバスケットカウント。この時点で試合の残り時間は7秒、66-64と2点差まで追い上げ、さらにボーナススローの1ショット。
ここで考えられる前原の作戦は2つ。
一つは、フリースローを決めてファウルゲームに行く方法。前原のチームファウルは既に4つを超えているので、ファウルをすれば小禄のフリースローになります。仮に2投とも決められたとしても3点差で、3Pシュート1本で追いつける点差です。
しかし、小禄はスピードのある選手が多く、ボールハンドリングの良いガードがいますから、最悪の場合はファウルゲームに持ち込めず時間を使い切られてしまう可能性があります。
もう一つの方法は、フリースローをあえて外してリバウンド勝負。インサイドの高さでは前原に分がありますから、リバウンドを拾ってフィールドゴールが決まれば同点。ファウルのおまけが付けば逆転もあり得ます。
しかし、フリースローレーンの並び順はディフェンス有利にできているため、この方法はリスクを伴います。
これをご覧の方が前原の監督だったなら、どちらの方法を採るでしょうか。もしくは、どちらでもない第3の方法をお持ちの方もおられるかもしれません。
結果的にフリースローは外れて(外して)リバウンド勝負となり、小禄がボールを拾ってタイムアップとなりました。この試合終盤のヒリつく緊張感がバスケットボールの醍醐味です。
ウインターカップを来月に控える小禄は、新人戦向けの準備をする時間が他チームに比べて少なかったと予想します。その状況下で見事な優勝でした。
対する前原は、9月に行われた選手権でも小禄にワンゴール差で敗れており、この試合に向ける意気込みは相当なものでした。それゆえに悔しい敗戦となりましたが、主力の多くは1年生。小橋川杯でのリベンジに期待しています。
女子の決勝リーグは4チームが1勝1敗の横並びで、最終戦までどのチームにも優勝の可能性がある大混戦でした。結果的に小禄が優勝しましたが、4回やったら4回とも優勝チームが異なるのではないかというほど実力は拮抗しており、こちらも小橋川杯での再戦が楽しみです。
中部・北部の1年生大会で優勝した美来工科の女子にも注目しています。
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