9月22日(日)、西原町民体育館で琉球ゴールデンキングスとKBL高陽オリオンスの練習ゲームが行われました。
キングスとオリオンスは9月25日(水)・26日(木)に対戦を控えており、その前哨戦として注目を集めました。しかし、そもそも「オリオンスって何?どんな選手がいるの?何番が誰?」と疑問符だらけで楽しみ切れなかった方もおられたのではないかと思います。
そこで、この試合で何が起きていたのかを、僕の視点で記しておこうと思います。練習ゲームを観ることが出来なかった方はもちろん、観た方にもぜひ読んで頂きたいと考えています。なぜなら、それが9月25日(水)・26日(木)に行われる試合の見どころにつながるからです。
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この練習ゲームで、僕はオリオンスの3つのポイントを観ていました。
(1)2人のポイントガードの起用法。
(2)フォワード、#9チェ・ジンスの回復具合。
(3)新加入の外国籍選手、#25ランス・ゴールバーンのプレー。
これら一つひとつに対して、説明していきたいと思います。
(1)2人のポイントガードの起用法。
オリオンスには#3チョン・テプン(180cm)というエースガードが存在します。昨シーズンのKBLのアシスト王(1試合平均6.1)でありながら、卓越したドリブルスキルとシュート力でも観客を魅了します。得点力があるがゆえに彼のところにディフェンスが収縮し、結果としてアシスト数が増えているという印象です。
彼のアシストパスを見ていて脅威なのは、進行方向とはマイナスの方向にパスを出せるところ。例えば、自身がペネトレイトしたことによって生まれた空間(真後ろや後方45度)に正確無比なパスを出せるのです。
超攻撃的ガードである#3テプンに加えて、今オフに電子ランドから獲得したポイントガードが#2イ・ヒョンミン(178cm)です。ゲームをコントロールしながらも要所で自身が得点できる、いわば正統派のガードです。
タイプの異なる2人のガードを交互に使うか、それともツーガードで起用するかに僕は注目していました。
で、実際、キングスとの練習ゲームでは1Q~2Qを#2イ・ヒョンミン、3Q~4Q途中まで#3チョン・テプンを起用して試合を組み立てていました。そして、4Q残り5分からは満を持してツーガード仕様。
ツーガードの時間帯は平均身長が下がりますが、この2人を両ウィングに据えた3-2ゾーンを試していました。3-2ゾーンは速攻に移行しやすいという特性もあるので、スピード重視の観ていて楽しいラインナップでした。おそらく、追い上げを図りたい時や突き放したい時にこの布陣を敷くのではないかと予想します。
(2)フォワード、#9チェ・ジンスの回復具合。
#9チェ・ジンス(202cm)は、NCAA Div.1のメリーランド大でプレー歴がある若手の注目株です。4月に左肩の手術を受け、開幕戦に向けて調整中とのことだったので、現時点で果たしてどれくらいプレー出来るかに注目していました。
ディフェンスやリバウンドは頑張っていましたが、オフェンスについてはまだまだという印象です。4Qの勝負どころで3Pシュートを決めた勝負強さはさすがでしたが、試合勘が鈍っている印象は拭えません。
ただ、2Q以外は出ずっぱりで、30分のプレータイムをもらっていました。試合勘は試合の中で取り戻していくしかないので、調子が悪いながらも起用し続けるところにコーチの愛を感じました。
(3)新加入の外国籍選手、#25ランス・ゴールバーンのプレー。
オリオンスには外国籍選手が2人います。2シーズン目の#4レオン・ウィリアムス(197cm)は昨シーズンのKBLでリバウンド王(1試合平均11.4)を獲り、実績は十分。チームにも馴染んでいます。
僕が注目したのはもう一人の外国籍選手、#25ランス・ゴールバーン(200cm)です。昨シーズンはDリーグでプレーし、今シーズンからオリオンスへ加入。学生時代は2~3番ポジションのスウィングマンだったそうで、はたしてKBLでどういう起用をされるかに注目していました。やっぱり外国籍選手で2メートルあると、#4レオンのバックアップとしてセンターなのかな、と。
で、蓋を開けてみたら、思いっきりフォワードでの起用でした。というか、オリオンスには明確なセンタープレイヤーがおらず、ガード&フォワード軍団という印象です。
ただ、8月16日からチーム練習に参加しているという割には今一つ噛み合っておらず、今のところ2シーズン目の#4レオンを起用する時間帯のほうが長くなりそうです。
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この日を含め、キングスとオリオンスは3回の練習ゲームを行い、その全てでキングスが勝利したそうです。
が、上記のとおり、練習ゲームはあくまでも練習ゲームで、色々なことを試す場として活用していました。本当の勝負は9月25日(水)・26日(木)、沖縄県立武道館で行われます。
【練習ゲームの結果】
キングス 56(17-19.17-7.12-11.10-15)52 オリオンス
使用球は前半がKBL、後半がbjリーグのもの。外国籍選手の出場は、キングスは1Q・3Qが2人、2Q・4Qが3人。オリオンスは終始1人。時計は流し。ファウルアウト無し。
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