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【観戦記】琉球キングス-滋賀レイクスターズ(1/24・25)

アンソニー・ケント
1/24(土) キングス 75(12-19.19-7.28-7.16-21)54 滋賀
1/25(日) キングス 87(14-8.30-14.23-19.20-25)66 滋賀
どちらが勝つにせよ接戦になると予想された対戦カードで、連日21点差の勝利。明暗を分けたのは「徹底(てってい)力の差」
1月24日(土)の試合については、滋賀が序盤からインサイドアタックを繰り返し、キングスのインサイド陣をファウルトラブルに陥れます。
第2Qが終わって31対26とキングスがリードするものの、一桁点差で十分逆転可能な上、キングスは#54キブエ・トリムと#4アンソニー・ケントにファウルがかさんでいました。滋賀は後半開始から一気に仕掛けてくるのではないかと予想していました。
しかし、後半が始まってイニシアチブを取ったのはキングスでした。これは好調#32山内盛久を後半のスターターに起用したことが大きかったと思います。
滋賀は第2Q以降、オフェンスが単調になりミドルレンジ~ロングレンジのシュートに頼ってしまいました。第1Qに見せたようなインサイドアタックをもう少し長く続けられたなら、また違った結果になっていたかもしれません。
1月25日(日)の滋賀は長身センター、#54クリス・ホルムをローポストに立たせ、攻撃の基点にします。マッチアップは#54トリムですが、キングスはチームディフェンスを仕掛け、ガードの#14岸本隆一や#3並里成がダブルチームに行くと見せかける動き(ヘジテーション)をします。
結果、#54ホルムはエンドライン側へのターンを余儀なくされ、スペースのないところから苦しいシュートを打たされます。キックアウトからのアウトサイドシュートもなかなか決まらず、試合開始から4分間ノーゴール。キングスが試合を優位に進めます。
第2Qに入るとキングス#9小菅直人が2本の3ポイントシュートを決めますが、これは今節を象徴するプレーだったと思います。
キングスには、ボールを持って躊躇なく3ポイントシュートを打つガードと、あまり打たないガードがいます。これはおそらくチーム内の決め事として各選手に徹底されています。
3ポイントシュートを積極的に打つ選手は、#9小菅と#14岸本、#2ドゥレイロン・バーンズです。
逆にあまり打たない選手は、#6金城茂之と#32山内です。
これは得手/不得手というよりは、みんながみんなアウトサイドシュートを打ってしまうと攻撃が単調になるため、各々に役割分担を与えているのだと思います。言ってしまえば、キングスというチームは、3ポイントライン付近で選手がボールを持った時の動きをある程度絞り込めるのです。
#9小菅が3ポイントライン付近でボールを持ち、前が空いていれば即シュートを打ちます。滋賀のディフェンスは、それに対するシュートチェックができていませんでした。
逆に、キングスは打たせてはいけない選手に対しては徹底してシュートチェックに行っていました。どんなにボールを振られても、ワイドオープンを作られても、#1岡田優や#14テレンス・ウッドベリーには絶対にフリーで打たせない。たとえブロックショットはできなくても、シュートチェックに行ってプレッシャーをかけ続けることに意義があります。
こうした細かいことを、練習時からどれだけ徹底できるか。
第2Q終了時点で44対22とダブルスコアになってしまいましたが、これは戦術的に大きなミスがあったわけではなく、ほんの少しの「徹底力の差」が積み重なって、この点差になったと思います。
キングスと滋賀はレギュラーシーズン最終節で再び対戦します。今節は#4ジェフリー・パーマーや#7井上裕介が怪我で万全ではなかったそうで、一日も早く元気な姿でコートに帰ってくることを願っています。

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この記事を書いた人

「バスケットボールマガジン 琉球バスケ王国」や「バスケットボール沖縄」、バスケットボール専門誌「OUTNUMBER」などに記事を寄稿しています。

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