キングス 68(11-15.20-15.20-21.17-22)73 島根
【スターティング5とマッチアップ】
37並里成(172cm) – 31籔内幸樹(183cm)
32山内盛久(173cm) – 21曳野康久(186cm)
9小菅直人(187cm) – 55横尾達泰(185cm)
50ジェフ・ニュートン(205cm) – 3マイケル・パーカー(202cm)
33ジャーフロー・ラーカイ(203cm) – 4ジェラル・デービス(216cm)
※スタメンの平均身長:188.0cm – 194.4cm
【観戦記】
キングスはエース=アンソニー・マクヘンリーが負傷欠場。平面のキングスが高さの島根に対抗するにはインサイドアタックが必要でしたが、キングスはリーグ屈指のスラッシャーを欠いて試合に臨むことになります。
序盤は盛久がゲームコントロールする時間帯が長く、並里とのツーガード仕様。すると島根は曳野を下げて山本エドワードを投入し、こちらもツーガード仕様。
キングスは得意のアウトサイドシュートが決まらずロースコアな展開。インサイドではラーカイがポストプレーで奮闘するものの、内外の連携が取れずに孤立。ファウルをもらってもフリースローが決まりません。
ようやく216cmのセンター=デービスの高さに目が慣れてきたかな、というところでもう一人のセンター=ビー・ジェイ・パケットに交代するという島根の采配も効きました。タイプの異なる二人のセンターの存在は、対戦相手にとって脅威です。
劣勢のキングスでしたが、ジェフや盛久、菅原洋介の炎のオフェンス・リバウンドがチームに勢いを与え、31-30とほぼイーブンの得点差で前半を終了します。
後半のキングスは、並里を中心にインサイドへ切れていくプレーを多用し始めます。さらに第4Qに入ると積極的にスティールを狙う攻撃的なディフェンスが出始め、ここにきてようやくキングスらしいプレーが見られるようになります。
しかし、ジェラル・デービスを攻防ともに攻略できず、またテレンス・ウッドベリーの単発のシュート以外に攻め手が無い状態。内容的に68対73という点差以上の完敗となりましたが、高さのある島根相手にリバウンドで互角に戦えたことは明日への光明です。
☆ ☆ ☆
名将として名高い島根のジェリコ・パブリセヴィッチHC。いやが応でもその采配に注目しますが、今日の試合で唸ってしまった場面を二つ紹介します。
(1)3-2ゾーンのトップを機能させない。
今シーズンのキングスは、流れを変えたい場面で3-2ゾーンを使用します。速攻に移行しやすいという点でもキングス向きのディフェンスといえます。
その肝(きも)となるのはトップの位置に立つ選手。ボールの出どころを抑えつつハイポストもケアするという重要なミッションを持ちますが、今日の島根戦ではこのトップの選手が封じられてしまいました。
「ああ、こうして3-2ゾーンは壊されていくんだな…」と感嘆してしまう試合でした。
(2)クォーターの終わり方。
今シーズンのキングスは、クォーターの終わり方がうまいチームです。並里が残り時間10秒を切るまでボールをキープし、スクリーンを使いながらフリーを作ってズドン。ホームの観客の割れんばかりの歓声と共にクォーターを終え、次の勢いにつなげていくというパターンが幾度となくありました。
今日の島根は、それを意図的に封じました。
第2クォーター終盤、島根のチームファウルは2つ。残り18秒でキングスボール。並里がボールをキープしている段階で島根は2回のファウルを効果的に使います。チームファウルは5つに至っていないのでフリースローにはなりません。断続的にファウルをされたキングスは流れの中でシュートを打つことができず、残りたった2.8秒、インバウンズからのパスでオフェンスをクリエイトしなければならない状況を作り出されてしまいました。
結果的にキングスのクォーター最後のオフェンスは失敗し、島根は気持ちよく後半戦に臨んでいたように思います。
★ ★ ★
僕はキングスファンである前にバスケファンなので、良い采配や良いプレーはどのチームであれ見ていて楽しいです。
しかし、やっぱり応援しているチームが負けると悔しいですね。明日の試合では、今日得点がゼロだった小菅直人の奮起に期待します。
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