キングス 66(22-11.8-21.18-17.18-20)69 岩手
【スターティング5とマッチアップ】
#14岸本隆一(176cm) – #33与那嶺翼(173cm)
#9小菅直人(187cm) – #8月野雅人(178cm)
#8大宮宏正(197cm) – #12寒竹隼人(194cm)
#5アンソニー・マクヘンリー(202cm) – #10スクーティー・ランダル(198cm)
#54キブエ・トリム(209cm) – #21ローレンス・ブラックレッジ(207cm)
【観戦記】
今節のキングスは、18連勝中の岩手とアウェイで対戦です。岩手には桶谷大HCや#33与那嶺翼、#10スクーティー・ランダル、#31アブドゥーラ・クウソーと、元キングスの選手やスタッフが多く在籍しています。#10ランダルは現時点のリーグ得点王で、11月の月間MVPを獲得。勢いに乗っています。さらにベンチには#9仲西淳や#32ウェイン・アーノルドら流れを変えられる選手が控えており、今シーズンの優勝候補の一角です。
試合は結果的に敗れましたが、その要因について、自分なりの解釈を記します。
第1クオーター(Q)、岩手はトライアングル・オフェンスをやっていました。一般的にトライアングル・オフェンスのエントリープレーで、ボールサイドのローポストにはインサイドプレイヤーを配置することが多いと思うのですが、岩手はフォワードの#12寒竹をローポストに立たせ、センターの#21ブラックレッジをウィングに配置するということをやっていました。
キングスは#21ブラックレッジに対して#54トリムがマッチアップしていたのですが、センタープレイヤーのクイックネスでは岩手に分があるため、#54トリムを3ポイントライン付近までおびき出し、インサイドにスペースを作る狙いがあったと思います。
そして、ディフェンス。
キングスは選手個々の能力が高く、層も厚いため、その全てを封じることは困難です。このため、対戦相手はディフェンスで取捨選択をします。キングスにやられても良いことと、させてはいけないことを明確にするのです。
岩手はドライブ警戒で、その代わりアウトサイドシュートを打たれるのはある程度仕方がないというディフェンスをしていました。例えば、並里がハイピックを仕掛けたとしても、特別なディフェンスをしていませんでした。スライドで対応し、外から打たれる分にはやむなし。そのかわり、ドライブは許さないというディフェンス。
そして、ここからが岩手のゲームプランで最も重要だったと思うのですが・・・
ディフェンスリバウンドで負けないこと。
せっかく確率の低いアウトサイドシュートを打たせても、オフェンスリバウンドを拾われては意味がありません。事実、キングスはこれまで#54トリムや#8大宮宏正、#32山内盛久がオフェンスリバウンドで奮闘し、セカンドチャンスから劣勢を打開した試合がいくつもありました。岩手のゲームプランは、それをさせないという点が徹底していました。
桶谷HCはマンツーマン・ディフェンスにこだわりを持つ方ですが、早い時間帯にゾーンをしたことがキングスの裏をかいたかもしれません。
ただ、#14岸本や#9小菅、#2ドゥレイロン・バーンズといった3ポイントシュートのうまい選手たちを前に、ゾーン・ディフェンスをすることは凄く勇気のいることです。ゾーンは長時間使うと対戦相手が慣れてくるものですが、岩手はそれを引っ張りすぎず、キングスが慣れてくる前にマンツーマンに戻したことが功を奏しました。第2Q以降の岩手はマンツーとゾーンのチェンジングでした。
岩手のポイントゲッター#10ランダルに対してキングスは#5マクヘンリーがマッチアップし、13得点に抑えました。しかし、岩手は後半からHornsを織り交ぜて多彩な攻撃を展開。的を絞らせませんでした。
対するキングスは、勝負どころで#5マクヘンリーと#2バーンズの1on1主体。そこがキングスのストロングポイントではあるのですが、チームオフェンスの引き出しの数では岩手が点差以上に圧倒した試合でした。
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